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消化管疾患 - ピロリ菌Gastrointestinal disease

ピロリ菌

はじめに

ヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)は細菌の一種で、らせん状を呈するグラム陰性桿菌です。
1983年に初めて発見され以後の研究で胃がんとの密接な関係が1994年に明らかにされ、現在では胃がん対策はピロリ菌除菌が最も大事であるともいわれています。
本来胃の中は強い酸の状態で通常の細菌などが生息することは不可能なのですが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持ち、この酵素からアンモニアを産生して周囲の胃酸を中和して生存しています。

 

感染状況

欧米では感染率は低いのですが、日本を含むアジア諸国では水道環境があまりよくない事、また井戸水を飲料水として使用していたことから感染率は高く60歳以上の世代では70-80%の感染率であるとの報告もあります。それに対して若い世代の方々は近年の水道環境の改善も寄与して感染率も低く20%以下といわれています。
しかし親が感染者である場合、乳幼児に口移しで食事を与えたりすると感染率は上昇するため、気を付ける必要があります。

 

病気との関係は?

ピロリ菌に感染をすると感染した胃は年月をかけて慢性萎縮性胃炎という状態となります。いわゆる胃がんの前がん病変です。
従来は早期胃がん、胃潰瘍や十二指腸潰瘍でないとピロリ菌の検査をしたり除菌治療が保険で行うことができませんでしたが、現在では内視鏡を行って慢性胃炎の診断がつけば、感染のチェックをしたり除菌治療が保険でできるようになりました。

 

診断方法

内視鏡検査を行って粘膜の状況を見ればたいていピロリ菌感染の有無は判断できますが、正確には

  • 血清抗体検査
  • 尿素呼気試験
  • 便中抗原検査
  • 生検を行って実際に顕微鏡で菌を確認する方法
などがあります。

除菌を行った後には尿素呼気試験などで除菌が成功したかチェックをしますが、除菌治療後4週間以上開ける必要があります。

 

除菌治療

一次除菌 抗潰瘍薬(PPIやPcab)アモキシシリン(合成ペニシリン系抗生剤)クラリスロマイシン(マクロライド系抗生剤)の三剤で行います。
二次除菌 抗潰瘍薬(PPIやPcab)アモキシシリン(合成ペニシリン系抗生剤)そしてクラリスロマイシンの代わりにアメーバの治療で使用するメトロニダゾールの三剤で行います。

現在保険で認められている除菌療法は一次除菌および二次除菌までで、三次除菌以降は自費治療となりますが、大学病院などで施行されています。

両親がピロリ菌感染者、小さいころ井戸水などをよく飲んでいた方、東南アジアなどで幼少期を過ごした方などは積極的に胃内視鏡を受けピロリ菌の検査も同時に受けることをお勧めいたします。

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